副業や兼業が珍しくない現代、会社という組織に所属する意味やメリットは何でしょうか。
「自分が勤める会社のどこが気に入っているか?」と聞かれたとき、「コレだ!」という回答を一つ出せる人は少ないのではないのでしょうか。思いつくほとんどが他の会社にもある、そうではないですか?
今回は、企業の独自性が出ているユニークな福利厚生をご紹介します。
目次
手当と福利厚生はおなじ?
まずタイトルにもある、「福利厚生」の定義を確認しましょう。
福利厚生と似たように捉えられる言葉として、「○○手当」があります。残業手当、通勤手当、住宅手当、出張手当。よく見聞きするでしょう。
福利厚生は「企業が従業員に対して通常の給与にプラスして支給する非金銭報酬」と定義され、法律で定められる決定福利厚生と、企業が独自に定める決定外福利厚生があります。
一方で、手当は「企業で役職や職務など特定の条件に当てはまる人のみに支給されるもの」を指します。福利厚生と同様に、残業手当、深夜残業手当、休日出勤手当の法律で定められる手当と、そうでない手当に分けられます。本記事では、福利厚生に限定して選んでいます。
ユニークな福利厚生の事例
事例1.「こんな働き方ができたらいいな」を形に ― Chatwork
Chatwork株式会社は、社名にもなっているビジネスコミュニケーションツール“Chatwork”を提供しています。従業員それぞれの希望をくみ取って働く環境を整えています。
ワークライフバランス
働く環境をよりよくするための支援として、PC周辺機器や在宅勤務のためのグッズ費用の一部を会社が支援する制度
・ゴーホーム制度
実家へ帰省する費用を1回につき14,000円支給(配偶者がいれば+14,000円)。スタッフと家族との関係を大切にしてもらうための制度
交流支援
・食券制度
他部署メンバーと食事で交流を深める際、ランチ代を毎月4,000円まで支給する制度
・ランチトーク制度
仕事上での悩みや相談を幹部やマネージャーに相談する際、ランチ代を支給する制度
スキルアップ/キャリアアップ
・セミナー受講制度
最新情報やスキルが学べるセミナー/勉強会の受講費用を全額負担する制度
・表彰制度
半期ごとに最も活躍した人、最も成長した人に賞状と賞金が贈られる制度
その他の制度
・採用紹介制度
スタッフからの紹介で入社につながったら、紹介ボーナスを500,000円支給する制度
事例2.多様な働き方へのチャレンジ ― サイボウズ
kintone、サイボウズ Officeなどのクラウドサービスを提供するサイボウズ株式会社。「その人らしく働けるか」を大切にするサイボウズ社らしい制度が敷かれています。
働き方宣言制度
2007年から、ライフステージの変化に合わせて働き方を選択できる人事制度をスタート。育児、介護に限らず、通学や副(複)業など個人の事情に応じて、勤務時間や場所を決めることができます。2018年4月より、時間と場所で区切られた9分類から選ぶ、従来の選択型人事制度は廃止し、新たな人事制度「働き方宣言制度」の運用を開始。新しい制度のもとでは、一人ひとりが「自身の働き方」を自由に記述するスタイルで宣言し、実行します。
ウルトラワーク(在宅勤務制度)
2010年より在宅勤務制度をスタートしたが、2012年より、さらに進化させたウルトラワーク制度を開始。「働き方宣言制度」で宣言した働き方と異なる働き方を“単発で”することをウルトラワークと定義しています。従来の在宅勤務、時差出勤を含み、「チーム」「個人」両方の「生産性向上」を目的に実施。※「単発」の定義は、総労働時間のうち10%程度。おおむね1ヶ月を超えて、ウルトラワークが頻発する場合は、基本となる働き方を変更します。
育自分休暇制度(2012年~)
サイボウズを退職する人に「またチームに戻れる」という安心感をもってチャレンジしてもらうことが目的の制度。利用希望者は、最長6年間はサイボウズへの復帰が可能。
大人の体験入部(2016年~)
本人のキャリア検討や現在の業務へ生かすことを目的に、他部署に体験入部することができます。すべての部署へ希望を出すことができ、海外を含む他拠点への体験入部も可能です。
子連れ出勤制度(2014年~)
「学童保育に行きたがらない」「子どもの預け先が無い」といった問題解決のために開始した制度です。チームの生産性を下げないなどのルールのもと運用。緊急時の受け皿として機能しています。
事例3.女性活躍促進制度 macalonパッケージ ― サイバーエージェント
インターネット広告事業、メディア事業、ゲーム事業を主力事業として展開するサイバーエージェント株式会社。社員が長く継続して働くことができる職場環境の向上を目指す9つの制度をパッケージングした”macalonパッケージ”という独自制度を実施しています。macalonは「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」という意味です。以下、特徴的な制度を3つ選びました。
エフ休
女性特有の体調不良の際に、月1回取得できる特別休暇。通常の有給休暇も含め、女性社員が取得する休暇の呼び方を「エフ休」とすることで、利用用途がわからないようにし、取得理由の言いづらさ、取得しづらさを排除します。(エフ=FemaleのFを指す)
キッズデイ休暇
子どもの入園・入学式や親子遠足、参観日といった学校行事や記念日に取得できる特別休暇。年に半日休暇2回の取得が可能。
パパママ報
サイバーエージェントで活躍するパパ、ママ社員の多様な働き方を伝える社内報。パパママ社員の経験談や家事・育児に関連した幅広いコンテンツを社内のイントラサイトに掲載。すべての社員がいつでも気軽にコンテンツを見ることができるため、相互理解を促進し、あらゆる立場の社員をつなぐことを目指します。
働きやすい環境つくりとして「挑戦と安心はセット」という考えを持つ、サイバーエージェント社らしい福利厚生です。当事者が安心できるだけでなく「パパママ報」という媒体を使い、社内全体にシェアすることで、気兼ねなく制度を利用できる点も素晴らしいです。
福利厚生は、「従業員の幸福を追求すること」
「働き方」「パパ」「ママ」「子ども」「育児」「支給」「負担」
安心感、信頼感を連想させるワードが並んでいます。
精神をまともに保った状態で働くには、プライベートの充実は必須です。
サポート規模の大小ではありません。
企業によって守られている、という感覚が大切。
従業員に直接聞くことも一つの改善行動です。
従業員が求めていない福利厚生を置いたところで、形式だけのものになってしまいますからね。
しかし、福利厚生でオリジナル性を出したほうがいい、と言いたいわけでもありません。
「これだけ紹介しておいて、なんだよ!」と思われるかもしれませんが。
「お金があること」の価値が低くなっているいま、人々は「面白い」と思える場所を求めています。冒頭でユニークな福利厚生と書いたのは、文字通り、企業が持つべきユニークさを知っていただきたかったからです。別に○○円支給の額の大小が重要なのではありません(大きいに越したことはない)。そして、福利厚生自体のユニークさは、従業員からの意見からはじまり、従業員の幸福の追求である、という点が重要です。
一般的に、福利厚生は既存のもの、変えられないものだと認識されています。
実際、そういう企業が多い中、従業員の思いつきレベルの提案も吸い上げて、多種多様な福利厚生が生まれる、という企業があったら目立つことができますね。
「うちの会社には○○な福利厚生があります!」
「充実しているでしょ~」
こういう企業はどこにでもありますが
「従業員86人全員から1月に1度、思ったこと、感じたこと(仕事中だけでなく、普段の生活においても)を集めて、重要なものについては全員の問題であると捉えて、会社で環境を変えてあげます。」と示された方が、企業の愛を感じます。
就職という道も、こういう企業ならありかも、と思えるんです。
ここでのポイントは具体性を持たせること。
実際には採用に至らずとも、従業員と会社の間でコミュニケーションが多く、意見を聞いてもらえる会社ではある、と思ってもらえますね。
新卒で入社できる学生は全体の6割しかいません。4割は新卒入社できない。
就職というシステムが破綻しているいま、毎年新卒を採用する企業も減っています。
企業からすると、入社した従業員を大切にしたいはず。
あなたの会社が、居心地の良い場所になることを願っています。
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