「SNSで炎上したら処分すればいい」では済まないことも。企業が事前に備えておきたいSNS対策を解説。
SNSでの何気ない投稿が、思わぬ形で企業の信用問題につながるケースが増えています。
従業員本人が投稿したものだけでなく、
「友人が撮影した動画に従業員が映っていた」
「悪ふざけしている様子を第三者が投稿した」
「他人の投稿をリポストした」
といったケースも考えられます。
こうした問題が起きたとき、人事担当者がまず確認するもののひとつが「就業規則」です。
ところが、いざ確認してみると、
「今の規定で、このケースに対応できるのだろうか?」
という問題が出てくることがあります。
たとえば、懲戒事由を「会社の信用を毀損する内容を投稿した場合」としていた場合。
従業員自身が投稿したケースは想定できても、第三者が投稿した動画に従業員が関わっていた場合など、規定だけでは判断しにくいケースがあります。
そのため現在は、「投稿」だけに限定するのではなく、SNS上で会社の信用を損なう行為や、それに関与する行動まで含めて、服務規律や社内ルールを整理しておくことも重要になっています。
SNSトラブルは「起きてから考える」では遅い
もうひとつ注意しておきたいのが、会社がどこまで従業員のSNS利用に関与できるかという点です。
会社に関係する投稿だからといって、従業員個人のSNSアカウントを自由に確認できるわけではありません。
また、問題のある投稿について削除を求める場合や、勤務時間外のSNS利用について懲戒処分を検討する場合にも、個別の事情を踏まえた慎重な判断が必要です。
つまり、
「SNSで問題を起こした=すぐに処分できる」
という単純な話ではありません。
だからこそ、トラブルが発生してから対応方法を考えるのではなく、平時から社内ルールを整えておくことが大切です。
今、一度確認しておきたい3つのこと
社内のSNS対策として、まず確認しておきたいのは次の3点です。
① 就業規則・服務規律にSNS利用を想定した内容があるか
昔から使っている就業規則の場合、SNSそのものを想定していないケースもあります。
② 社内向けのSNSガイドラインがあるか
「何をしてはいけないか」だけでなく、写真・動画の投稿、会社名の記載、取引先情報、社内情報など、具体例を示しておくと従業員にも伝わりやすくなります。
③ 定期的に社員へ伝える機会があるか
規則を作っただけでは、実際の行動にはつながりません。
入社時の説明や社員研修、他社のSNSトラブルがニュースになったタイミングなどを利用して、定期的に注意喚起することも有効です。
SNSは、企業にとって情報発信や採用活動に欠かせないツールになりました。
一方で、スマートフォンひとつで誰もが簡単に情報を発信できるからこそ、会社側にも新しいリスクへの備えが求められています。
「うちは大丈夫」と思っている今こそ、一度社内ルールを確認してみる。
それが、従業員と会社の双方を守る第一歩になるかもしれません。
※SNS利用に関する懲戒処分や就業規則の取り扱いについては、個別の事情によって判断が異なります。実際の規程改定や処分を行う際は、社会保険労務士・弁護士等の専門家へご確認ください。
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