仕事のモチベーションを高く保つ要因で、「目標の達成」は常に上位に位置します。第一に会社の「目的」があり、その目的を果たすために部署の目標があり、末端である個人の目標に行きつきます。組織に所属するあなたは、何度も目標設定を経験してきたでしょう。しかし、目標設定の仕組みや手法について調べたことはあるでしょうか。今回は、名前が付く目標設定の方法として40年以上の歴史がある「SMARTの法則」について解説します。目標設定の方法に疑問を抱いている方はぜひ一読ください。
1. SMARTの法則とは
・Specific:具体的な
・Measurable:測定可能な
・Achievable:(誰がやるのか)割り当てできる
・Relevant:現実的な
・Time-bound:期限が明確な
“SMART”は5つの単語の頭文字をとって付けられており、ジョージ・T・ドランが1981年に執筆した論文がもとになっています。40年以上前と歴史が長く、いまも様々な企業で使われる考え方です。
2.5つの目標設定基準 S/M/A/R/T
1) S・・・Specific(スペシフィック)
第一に「目標が具体的であるか」という基準があります。同じ会社の誰が見ても分かるくらいに明確な目標にすることが大切です。「年間で2,000万円の売上を上げる」「利益率40%を目指す」「既存客のリピート率を80%まで上げる」など、数字が入ることは具体性のひとつの目安となるでしょう。
2) M・・・Measurable(メジャラブル)
つぎに「達成度を測ることができるか」という基準です。あいまいな目標の場合、達成度合いがわからず、評価する基準を失うことになります。また、実際にはスキルアップしていても、言語化、数値化できないので、目標を立てた従業員自身も成長したのかどうかを説明することができません。「目標の具体性」と非常に密接で重要な基準なので、慎重に検討しましょう。数字を含む場合は、任意の期間で区切った結果を測定することができるかを検討しましょう。また、データとして蓄積する作業も必要です。
3) A・・・Achievable(アチーバブル)
「実現可能かどうか」これも重要な基準の一つです。日常生活で目標を立てるとき、①「無理のある計画で自分を追い込む人」②「継続することを最優先して簡単な計画を立てる人」これらの中間に位置する③「現状よりも少しハードルが上がるが、なんとか続けられそうな計画を立てる人」の3者に大別することができます。”SMART”は3番目の基準にあたります。背伸びして工夫することで手が届くくらいの「ストレッチ目標」に設定しましょう。
4) R・・・Relevant(レラバント)
「自分の利益に関連するか」が”Relevant”です。「利益のうち、○○%をボーナスに上乗せして還元する」「○○円昇給する」など具体的な数字が入るとよいでしょう。目標と自分の利益が直結すると、達成に向けモチベーションを維持できるようになるため、目標を定める個人にとって重要な基準です。
5) T・・・Time-bound(タイムバウンド)
「期限を定めた」という意味をもつ”Timt-bound”。目標には時間設定も必要です。1年間で達成する計画か、半年なのか、発生する作業、仕事の内容をイメージ、計算するとよいでしょう。実際には「○○までに~を達成する必要があるから△△という目標設定にする」というように期限が最初に決まるケースが多いでしょう。
3.活用のポイント
1) 5つすべての基準をクリアしなくてもOK
目標設定は、やりやすい職種とそうでない職種があります。たとえば、営業は、売上に直接かかわるので、数字を出しやすく、目標に具体性を持たせやすいです。では経理はどうでしょう。業務のスピードや正確性は、担当として日を重ねるごとに成長するはずですが、それを他社に評価してもらう方法があるか。無いのであれば会社独自の試験方法を導入・検討したり、外部の資格取得などによってスキルアップを証明したり。適応できることは会社によって異なるので、既存の評価方法などと照らし合わせて、可能な範囲で基準を選定しましょう。
2) 成果目標と行動目標を設定する
成果目標は「達成したいと考えている目標」、行動目標は「行動すれば達成できる目標」を指します。たとえば「1年で50件の契約を取る」という成果目標を立てたとして、その達成に向けて「1日に20件は新規のテレアポを実施する」という行動目標を立てます。定期的に達成度を測ることで、成果目標達成に向けた行動の正当性をはかることができます。
3) 経営状況に応じて変化させる
設定した目標が、個人や会社の努力だけで達成されるわけではありません。2022年現在も進行中ですが、新型コロナウイルスの流行は経済活動に大きな影響を与え、休業、廃業に至った業界は多くあります。天災、事故、感染症は予測できないので、会社の状況に応じて基準を変更しましょう。
4.SMARTの法則の活用事例
SMARTの法則を利用した目標設定の具体例を挙げます。目標が決めづらい場合は、以下の指標を参考にしてみてください。目標には多角的な見方があることに気づくはずです。
■営業職の例
■事務職の例
■クリエイティブ職の例
5.さいごに
SMARTの法則は目標を立てるのに便利で有効な手法であるとともに評価基準としても活用できます。仕組み自体も非常にシンプルなので、自社独自の目標設定方法がある企業や、OKR、MBO等の他の目標設定手法と併用することも可能です。人事の担当者、部長や課長として部下を統括する、育成する立場にある人、評価される立場の従業員として会社の評価方法に疑問を持っている人など、会社に属する全ての人の参考になれば幸いです。
この記事を書いた人:庄司 理
栃木県内の高校生を主とする学生向けの、地元企業紹介メディア”COURSE”の企画・営業を担当。COURSE 事業は2022年で5年目。若いうちに「働くとはどういうことか」、「社会に出てどう生き抜くか」を考えるきっかけを提供。栃木県内の高校と、数百の企業を訪問、課題解決策の提案を行う。
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